地球の仕組み
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3_2 地球の層


地球の内部構造
のイラスト
(2000年12月14日)
地球の構造を一口に言いうと、層構造をしているということです。そして、中心部に重いもの、外にいくほど軽いものからできています。このような地球の姿ですが、私たちの日常的な感覚とは大きく違っています。それは、私たちが地球の表層の一部に住んでいるためです。海や大気が大きく見えますが、地球の大きさに比べると、それは、非常にはかないものです。
 地球の構造を一口に言いうと、層構造をしているということです。そして、中心部に重いもの、外にいくほど軽いものからできています。
 地球で一番多くて重いものは鉄です。日常感覚からすると鉄がそんなに多いものと思えませんが、地球全体では半分以上は鉄です。鉄は地球の中心部に集まっています。鉄からできている地球の中心を核(かく、コア)といいます。核は、固体鉄、つまり鉄の結晶からできいる内核(ないかく)と、液体の鉄からできている外核(がいかく)に分けられます。中心から約3500キロメートルが核にあたります。
 鉄の外側には、石からできている層があります。マントルと呼ばれます。マントルは、かんらん岩と呼ばれる岩石からできています。かんらん岩は、きれいな透明感のあるオリーブ色のかんらん石からできています。かんらん石の英語名はオリビン(olivine)です。オリーブ色の結晶ですからオリビンです。かんらん石は鉱物の中では比較的比重の大きなものです。マントルの厚さは約2900キロメートルです。
 地球の半径の6380キロメートルのうち6350キロメートルが核とマントルが占めています。ですから、地球はほとんど鉄とかんらん岩からできているといってもいいわけです。  マントルの上には軽い2種類の岩石が浮かんでいます。2種類の岩石のうち重いほうが玄武岩(げんぶがん)、軽いほうが花崗岩(かこうがん)と呼ばれます。玄武岩は、黒い岩石で海底をつくっている岩石です。花崗岩は、白い岩石で大陸をつくっている岩石です。玄武岩と花崗岩の部分をあわせて地殻(ちかく)と呼ばれます。その厚さは、海洋部で5キロメートル、大陸部では40キロメートル、平均で30キロメートルほどです。地球全体で比べると、半径で0.5パーセント、体積で1.4パーセントにすぎません。地球をりんごにたとえて、地殻をりんごの皮に見立てることがされますが、間違いです。地殻が地球全体に占める割合は、もっと薄いのです。
 以上が固い地球の部分です。柔らかい地球あるいは軽い地球の構成物がその上に乗っています。まず、水です。水は海をつくっています。地球の水の厚さは、平均すると3.8キロメートルです。地球を水の惑星といいますが、水は地球の大きさに比べて非常に薄いのですが、表面を覆っているため、海の惑星に見えるのです。海の上には大気があります。地球の大気は空気と呼ばれます。空気は酸素を20パーセント含む特殊なものです。
 人間の住んでいるのは、地球の表層の部の大陸の上で、大気の中でもあります。人間も含めて生物は、海、大陸、大気の境界部分に生存してます。生物の地球の水の中で生まれたのですが、その生息域は、海にとどまらず、今や陸地の至るところから空まで進出しています。
 これが、地球の基本的構造です。