生命の歴史
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Essay■ 2_214 生命誕生の条件 9:間欠泉
Letter■ 車検・家族で会う機会
Words ■ 寒波の中で


(2023.12.07)
 天然の原子炉の稼働には、地下水が必要です。地下水が原子炉の中に溜まっていれば、化学合成を進めることが可能です。合成物を含んだ地下水が、間欠泉として噴出すれば、複雑な化合物ができそうです。


Essay■ 2_214 生命誕生の条件 9:間欠泉

 生命に必要な材料物質(前駆物質と呼びます)のための化学合成には、かなり大きなエネルギーが必要でした。大きな熱エネルギーでは有機物が分解するので、放射エネルギーであれば熱を加えることなく、化学合成が進められそうでした。しかし、放射壊変で、水は熱くなっていきます。何らかの対応が必要です。
 冥王代に天然の原子炉が多数あったはずで、そこでは化学合成が進んだと考えられています。傍証として、20億年前の天然の原子炉オクロが発見されています。その時期に、真核生物が誕生しました。放射線の放出と同時期に急激な進化は、なにか意味がありそうに見えます。放射線は進化を促すのではないかという可能性です。
 もうひとつの課題は、多数の合成条件をどう作り出すかでした。複雑で多数の前駆物質が必要なので、天然の原子炉だけではすべての条件を満たすことは不可能です。一度で生命の化学合成が完成に至ることはありえないので、何度も試行錯誤を繰り返しながら、進めていく必要があります。いろいろな条件をもった環境に、合成物を移動させながら、合成反応を進めていかなければなりません。
 そのような要求を満たすモデルとして、原子炉で発生する間欠泉が提案されています。原子炉に水があり、放射エネルギーで溶液の中で化学合成が進みません。原子炉に地下水が常に供給されています。水が溜まって、放射壊変の熱で高温になると、間欠泉として噴出する場を想定しています。原子炉内で、周辺の岩石の成分を溶かした熱水と放射線で合成を進め、熱エネルギーで地下水を温め、間欠泉として合成物を地表に噴出します。
 冥王代は、原子炉と間欠泉以外にも、いくつかの特徴がありました。地表は、現在の岩石とは異なった地殻(斜長岩など)が存在して、火山列なども多数ありました。今とは異なった、間欠泉から合成物を含んだ熱水が放出され、多様な環境境に流れ込めば、多様な化学反応が起こったと想定できます。
 また、冥王代には月が地球の近くを短い周期で公転していたので、干潮のサイクルが早く、規模も大きかったはずです。海岸や湖岸での潮汐変動は大きくなり、複雑で周期的な環境もあったことになります。地表を流れている溶液が地下水となり、再度原子炉に戻ってくれば、反応が繰り返すことも可能となります。
 天然の原子炉と間欠泉で、エネルギーと多様な合成条件の困難さを解決していこうとするモデルです。


Letter■ 車検・家族で会う機会

・車検・
北海道は、寒波のため、何度か積雪がありました。
寒波が緩むと、雪が溶けます。
まだ、根雪ではなさそうです。
12月は、車検の時期です。
車検を通して、もう2年間乗れればと思っています。
エンジンや基本的なところは
今のところは大丈夫そうです。
あちこち、細々としたところが
だいぶガタがきています。
来年度は道内各地を野外調査で
走り回る予定をしているので、
なんとか持ってくれれば思っています。
次回の車検時には、買い替えを考えています。

・家族で会う機会・
今週末から夫婦で、京都に帰省します。
私用での帰省ですが、親族と子どもたちに会います。
子どもたちとは、同日の夕方に予定が立たず、
別日に私達と夕食を摂ることになります。
それでも家族が会えるのは楽しみです。
今後、会える機会は減っていきそうですので。