生命の歴史
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Essay■ 2_207 生命誕生の条件 2:ハビタブルトリニティ
Letter■ 道内の調査・気持ちも体も
Words ■ 寒くなってきました。もうストーブをたいています 


(2023.10.19)
 ハビタブルゾーンは天体での水の存在だけを考えていました。それに比べて、ハビタブルトリニティは、より条件を加えることで、生命誕生の場や環境を限定していく考え方です。


Essay■ 2_207 生命誕生の条件 2:ハビタブルトリニティ

 前回、生命誕生には、ハビタブルゾーンだけでなく、ハビタブルトリニティの考えが必要だという話をしました。では、ハビタブルトリニティとは、どのようなものを指すのでしょうか。みていきましょう。
 生命誕生には、液体のH2O、水(海洋)は必要不可欠ですが、量も考慮しなければなりません。水の量が多ければ、天体の表層がすべて海洋となります。また、水が少ないと、海が小さく点在したり、満ち引きが激しかったり、時には干上がったりすることもあるでしょう。生命誕生には、安定した海洋がなければなりません。
 生命の材料は、水の中で合成され、育まれていくと考えられます。そのため、安定した海は不可欠です。しかし、水だけが、生命誕生の十分条件ではありません。他にも必要な要素があります。ハビタブルトリニティでは、大気と大陸(大きな陸地)も必要だと考えました。
 生命を構成している元素をみていくと、多い順に、炭素(C)、水素(H)、酸素(O)、窒素(N)の4元素で96%に達するので、主要成分となります。酸素と水素は、海洋から供給されます。それ以外の炭素と窒素は大気から供給できます。しかし、量は少ないですが、生命に成分として、イオウ(S)、リン(P)、カルシウム(Ca)、マグネシウム(Mg)、カリウム(K)、ナトリウム(Na)の順になっています。これらの元素を合わせて99%を占めます。
 リン(P)、カリウム(K)、アルミニウム(Al)、カルシウム(Ca)などは、大陸の形成している花崗岩がもっている成分で、大気の風化作用や河川の浸食、運搬作用で海へと持ち込まれます。花崗岩は、大陸地殻を構成する岩石です。生命の材料の供給源として、大きな大陸地殻がなければなりません。
 ハビタブルトリニティとして、海洋、大気、大陸が必要となります。これらの三者が共存しながら、常に物質が流動し、循環していなければなりません。循環にはエネルギーが必要です。太陽エネルギーが、地球表層の水の循環をさせています。水の循環だけでなく、物質を合成するエネルギーが必要になりますが、それは太陽光だけでな足りなさそうです。
 それについては、次回としましょう。


Letter■ 道内の調査・気持ちも体も

・道内の調査・
先週末から野外調査にでていました。
研究計画に北海道に3回の調査を予定していました。
実施のための費用には問題はありません。
ただ、時期が問題となります。
9月までサバティカルで四国の調査をしてました。
北海道では、すでに初雪のニュースはありました。
雪がありそうな峠越えをするりなら、
冬タイヤに交換しなければなりません。
そのため、雪が降りそうな峠道を
10月に終わらせて、
最後は雪の少ない道南にいくことにしました。

・気持ちも体も・
講義のある日々も2週目となりました。
だいぶ、講義への感覚が戻ってきました。
気持ちの上では、だいぶ慣れてきました。
講義や会議にでてという日常で1週間を過ごすと
週末にはぐったりと疲れてしまいます。
しかし、これも日常だったはずです。
気持ちだけでなく、
体も順応していかなければなりませんね。