生命の歴史
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Essay■ 2_185 清江化石群 3:大量の新種の意味
Letter■ クラスター・エゾ梅雨
Words ■ 肌寒さい。夏はどこへいったのか


(2020.07.02)
 青江からは、多くの化石が、保存のいい状態で見つかっています。青江からカンブリアの大爆発の新たな情報をえることできます。化石の半分が新種の生物でした。これは何を意味するのでしょうか。


Essay■ 2_185 清江化石群 3:大量の新種の意味

 清江化石群の詳細について、話を進めていきましょう。清江化石群の時代は、約5億1800万年前のカンブリア紀の最初の頃で、まさに「カンブリアの大爆発」が始まりの時期です。カンブリア紀初期の時代のラーゲルシュテッテを並べていくと、澄江(5億2500万〜約5億2000万年前)、グリーンランドのシリウス・パセット(5億1800万〜5億500万年前)、中国の凱里累層(5億1300万〜5億0100万年前)などがあります。
 カンブリア紀初期のいくつかのラーゲルシュテッテの発見から、多数の化石が見つかっており、その研究も進できました。その結果、「カンブリアの大爆発」という現象における生物の多様性は、ほぼ把握されていると考えられるようになってきました。
 清江化石群の発見により、2万個以上の化石が採取されてきました。そらの化石は、非常に保存がよく、生物の内部の軟体組織もきれいに残っています。採取された化石のうち、4000点以上が記載されて、109の属があることがわかってきました。それが今回の報告になってきました。
 澄江やバージェスと似た化石も見つかっていますが、そのうち53%が新種だったということです。澄江と清江は比較的近い場所で、似た時代にできた化石なのですが、かなり違いがあることになります。これは、青江と澄江とでは、環境の異なっている生物群を見ている可能性があります。堆積環境としては、青江化石群は、澄江よりは、バージェス頁岩の堆積物と類似しています。バージェスでも堆積環境がある程度で解析されていますので、それらを比較できます。
 以上の結果を考えに入れると、生物が住んでいたところは、澄江(水深100から150mの大陸棚斜面)とは異なった、陸棚のより先端でもっと深いところに生息していた生物群になりそうです。ある時、土石流が起こり、生物たちが土砂と一緒に斜面を一気に流れ下り、生き埋めされたことになります。また、多くの化石が地中深くに埋められました。そのため、海底に住んでいた底生生物が、遺骸を食べたり地層を乱されることなく、ラーゲルシュテッテとして残ったようです。そこは無酸素の環境だったようで、軟体部が保存される条件の揃ってました。
 さて、今回の報告された化石は、採取したもののうち4分の1程度の記載が終わったに過ぎません。これからも研究は続くでしょう。もっと多くの多様性が見つかるのでしょうか。それとも多様性はすでにおさえられているのでしょうか。今後の研究に期待したいと思います。


Letter■ クラスター・エゾ梅雨

・クラスター・
北海道は、札幌や小樽で
昼カラオケでクラスターが発生しました。
小樽市では、公共施設が閉鎖になりました。
東京でも多くの感染者が報告されています。
いつ終わるとは知れないコロナ禍ですが、
ウイルスによる感染ですから、
ワクチンか対処薬(法)ができるまで、
多く人が感染し免疫を持つまでこの事態が続くはずです。
薬の開発認可ができるまで、
この事態が続くと思うと、憂鬱ですね。

・エゾ梅雨・
沖縄は梅雨の終わりだそうですが
本州や九州では梅雨の盛りのようです。
大雨が続いているようです。
北海道でも、ここしばらく
肌寒いどんよりした天気が続いています。
まるでエゾ梅雨のようです。
梅雨前線がかかってないので、
エゾ梅雨とはいえないのでしょうね。