生命の歴史
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Essay■ 2_174 グアダルピアン世末の絶滅 4:パンゲア超大陸
Letter■ トラップ・暖冬
Words ■ 新型コロナウイルスが蔓延しています


(2020.02.27)
 ペルム紀は、大陸が一箇所に集まるという特異な時期でした。気候も、寒冷から温暖へと変化していきました。多様な陸上生物や海ではアンモナイトや三葉虫なども多様化して栄えていました。そこに、2度の大絶滅が起こりました。


Essay■ 2_174 グアダルピアン世末の絶滅 4:パンゲア超大陸

 ペルム紀ー三畳紀境界(2億5200万年前)の大絶滅は大きなもので、史上最大のものと位置づけられています。ここ30年間ほどで、グアダルピアン世末の調査で、ペルム紀末の大量絶滅とは別の絶滅であることがわかってきました。
 グアダルピアン世末の大絶滅を紹介する前に、ペルム紀の様子を概観しておきましょう。
 ペルム紀の初期に、ユーラメリカ大陸(赤道付近に存在)とゴンドワナ大陸(南半球)、シベリア大陸(北半球)に分かれていたのですが、ペルム紀の終わり頃(2億5000万年前頃)には、衝突合体して、パンゲアと呼ばれる超大陸ができました。
 このペルム紀初期には、極地にも大陸が分布していましたが、衝突により、超大陸パンゲアができた結果、大陸配置は、超大陸パンゲアと超海洋パンサラッサという状態が出現しました。パンゲアは主に熱帯から温帯にも広がっていました。そのような大陸配置が、生物の進化や絶滅に影響があったはずです。
 ペルム紀初期には、ゴンドワナ大陸が南極域にあり、氷床が発達していたため、気候は寒冷であったのですが、北上していくことで氷床が融けて、だんだん温暖化していきました。そして、ペルム紀末には温暖化が起こり、顕生代ではもっとも温暖な時期を迎えることになりました。
 温暖化は生物にとって繁栄できる環境となります。ただし、パンゲア内陸部は乾燥気候の大地が広がっていました。そのため、植物は、シダ類類から、イチョウ類、ソテツ類などの裸子植物が反映してきました。陸上では動物が繁栄していて、特に昆虫が多様化し、巨大な両生類や爬虫類もいました。哺乳類の祖先にあたる単弓類も繁栄しています。海では、フズリナ、三葉虫、腕足類(特にアンモナイト類)、貝類などが多様化していました。海陸とも生物が繁栄していた時代でした。
 ペルム紀は、3つの時代に区分されています。古い方からシスウラリアン世(Cisuralian)、グアダルピアン世(Guadalupian)、ローピンジアン世(Lopingian)に区分されています。グアダルピアン世の末(2億5910万年前)、710万年前のことです。
 その実態や原因は、次回としましょう。


Letter■ トラップ・暖冬

・トラップ・
トラップ(Trap)という用語は、
大規模な溶岩噴出したところ地域で用いています。
トラップのある溶岩地帯は、
階段状の丘ができていることが特徴です。
地質学用語として使われています。
ところが、英語の辞書には
地質学で使われているような意味がありません。
調べてみると、トラップの語源は、
スウェーデン語のtrappaに由来しています。
trappaの意味は、「段」や「階段」となっています。
なるほどと、やっとトラップが納得できました。
調べて見るものですね。

・暖冬・
今シーズンの冬は雪が少ないといっていました。
ところが、2月になって、ドカ雪が何度も降り
例年並みに降雪量となりました。
ところが、やはり気温が高くて、
降った雪が融けて、
降雪量は例年より少ないようです。
やはり暖冬ですね。