生命の歴史
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Essay■ 2_140 三畳紀の大絶滅 3:生物の繁栄
Letter■ 末から中期へ・吹雪
Words ■ 北海道は完全な冬型になりました


(2016.11.10)
 古生代の終わりには、生物史上、最大の絶滅が起こりました。三畳紀から中生代がはじまりますが、大絶滅からの回復が起こるとともに、新しい生物たちの多様化が起こります。しかし、三畳紀末にも再度絶滅が起こります。


Essay■ 2_140 三畳紀の大絶滅 3:生物の繁栄

 三畳紀末(約1億9960万年前)には、多くの種類が絶滅が起こっていることは、古くから知られていました。三畳紀とは中生代の始まりの年代です。ビック5のもっとも激しい絶滅であるペルム紀末(約2億5100万年前)の大絶滅が起きてから、生物相が回復してきた時代です。
 それまで古生代型と呼ばれる生物が繁栄していたのですが、古生代の主要な生物種は絶滅をして、絶滅を免れた数少ない生物たちが、競争相手がいなくなった新しい環境に生き残った生物たちが一気に繁栄していきます。
 古生代にもサンゴあったのですが三畳紀からは六放サンゴの仲間が繁栄します。これの例をみてもわかるように、大きな絶滅の後には、あらたしいいタイプの生物が多様化が起こります。他にも翼形二枚貝、セラタイト型のアンモナイト、ベレムナイト(矢の形をしたイカの近縁)、ウニ類、ウミユリ(棘皮動物)などが多様化していきます。また、微生物ですが放散虫やコノドント(現在のヤツメウナギなどと類縁)などが大繁栄し多様化を遂げました。
 微生物の多様化により、ある時代に一気に繁栄し、次の時代には別のタイプが発展するというな変遷が微生物では起こります。放散虫やコノドントではこのような多様化が起こり、チャートや石灰岩の中から発見されると、示準化石として年代決定に利用されるようになります。
 大きな絶滅があると、その原因に隕石衝突が起こっていないかが、まずはチェックされるようになりました。それは、白亜紀末(K-Pg境界)の絶滅が、隕石衝突が原因であったため、他でも同じような現象があったのではないかという推測がなされます。しかし、なかなか証拠が揃うことなく、隕石衝突説が証明されいてるのは、K-Pg境界だけなのです。ですから、ビック5の絶滅のうち、K-Pg境界以外で、原因が究明されているのはまだないのです。
 しかし、逆の場合があります。逆とは、ある地層から隕石衝突の証拠が見つかっているのですが、それは絶滅を伴っているような特別な時代境界ではない場合です。地球外からの衝突の痕跡があったので、その時代に何が起こっていたのかを探っていこうというものです。隕石の衝突が、絶滅を起こしていたかどうかは、検討の余地があります。
 三畳紀中期からそのよう証拠がみつかりました。時代は、三畳紀末より1540万年も前の約2億1500万年前のことです。発見の舞台は日本です。詳細は次回としましょう。


Letter■ 末から中期へ・吹雪

・末から中期へ・
今回からシリーズのタイトルが
三畳紀末から三畳紀に変わりました。
これは、三畳紀中期の隕石衝突の発見の話題を
中心にしようと考えていました。
しかし、つい三畳紀末の絶滅から話を始めるつもりだったので
ついそのまま書いてしまいした。
そのことに気づいていたのが
今回のエッセイを書いているときでした。
間違いに気づいたのでシリーズの途中ですが、
今回から修正させていただきます。

・吹雪・
北海道では先週末から吹雪になりました。
今年の冬は、少々早い多くの積雪と吹雪となりました。
我が家の車は、すでに冬タイヤにはしていたのですが、
先週末の日曜日の午後から1泊の出張がありました。
激しい降雪と吹雪で道が心配だったので、昼前に自宅を出ました。
高速も圧雪状態で、急ハンドルは確実にスリップしそうです。
スリップする車も見かけたので、びくびくしながら運転でした。
月曜日の朝には、峠が完全にアイスバーンになっていました。
私の車がスリップましたのですが、見ると、
後ろのトラックもスリップしながら走っていました。
もし対向車がいたなら、事故は免れなかったでしょう。
冷や汗をかきました。
昼前に同じ道を通ったのですが、その時には、氷は解けはじめていて
スリップをすることはありませんでした。
帰りの高速道路も乾いていたので、速度規制も解除されて、
予定通りに自宅に帰り着くことができました。
ただし、交通量の少ない自宅周辺は今も雪道ですが。