生命の歴史
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Essay■ 2_72 絶滅の原因:マンモス3
Letter■ アイスエイジ・人類共通の財産
Words ■ 求めよさらば与えられん


(2008.12.11)
  マンモスのシリーズでは、マンモスの最新情報を数回にわたって紹介しようと考えています。しかし、そもそもマンモスとは、どのような生物なのでしょうか。そしていつごろまで生きていて、どうして絶滅したのでしょうか。


Essay■ 2_72 絶滅の原因:マンモス3

 マンモスをだれもが知っているかのように、このシリーズを書き始めましたが、でも、本当にマンモスのことを、よく知っているのでしょうか。
  マンモスは、今、生きているゾウとは、違う種類のものです。分類学上、ゾウには、アジアゾウ属、アフリカゾウ属、マンモス属の3つの属があります。アジアゾウ属で現在生きているのはアジアゾウ1種だけで、アフリカゾウ属はアフリカゾウとマルミミゾウの2種がいます。一方、マンモス属は、すべて絶滅した種(10種ほどある)ばかりで、マンモスはその総称となりす。
  北アメリカには、コロンビアマンモス、インペリアルマンモスがいて、ヨーロッパ(イギリス・ドイツ)には、史上最大のステップマンモスがいました。そして、シベリア、ヨーロッパ、北アメリカ、日本など広い地域に中型のケナガマンモス(ウーリーマンモス)がありました。
  ケナガマンモスは、30〜60万年前に生息したステップマンモスの直系の子孫だと考えられています。ケナガマンモスが、私たちが一般的に想像しているマンモスのイメージになります。シベリアで氷漬けなって見つかるリューバなどは、ケナガマンモスいなります。寒い地域の大型のマンモスというイメージは、インペリアルマンモスやステップマンモスなどの大型のものと、ケナガマンモスが混在したものです。
  マンモスは、1万年前ころには絶滅していますが、その時期や、原因もまだ定まっていません。
  コロンビアマンモスが、最後まで生存していたマンモスいう考えや、一説には3700年前(B.C.1700年)頃に、東シベリアの沖合にある北極海のウランゲリ島で狩猟された体高約1mほどの小型のコビトマンモスが、最後の記録とされています。しかし、まだそれも定説とはなっていません。
  マンモス絶滅の原因も、まだ不明です。
  一般的な説は、氷河期が終わって気候変動が起こり、草食のマンモスに大きな影響を与えたというものです。それまでマンモスは、イネ科の植物を主として、キンポウゲやヨモギなどを食べていました。しかし、温暖化によって降雨量が増え、大量の雪が降るようになり、食料の植物が育たない環境になり、食糧不足で絶滅したいう説です。
  よく聞く説として、ヒトが絶滅させたというものがあります。それは、マンモスが生きていた時代と、私たちの祖先が活動していた時期と重なります。実際に、ヒトとマンモスのかかわりの証拠があります。
  アメリカのアリゾナ州では、約1万2千年前のコロンビアマンモスの化石の骨の間から、石でできた槍の穂先が見つかっています。また、フランスの洞窟には旧石器時代に描かれたマンモスの壁画や、ドイツの遺跡ではマンモスを描いた石板、ウクライナやポーランドではマンモスの骨で作られた住居跡が発掘されています。このようなヒトがマンモスを狩っていたという証拠は、7件ほどあるようです。
  アメリカ大陸には、1万年前ころにヒトがユーラシア大陸から地続きとなっていたベーリング海を移動していきました。新大陸では、マンモスが狩猟対象になっていたようです。あるシミュレーションによると、1000年もたたずに、ヒトによってマンモスを絶滅させるというものがあります。もしこれが本当なら、マンモスだけでなく大型哺乳動物にとって、武器を手にしたヒトは、脅威の存在となっていたのかもしれません。これは今も同じですが。
  他の説として、伝染病説が提唱されています。コロンビアマンモスでは、発見される8割近くの化石に、病によると考えられる大腿骨の変形が認められるそうです。伝染病の原因として、ヒトが移動の時に連れてきた家畜に由来するものではないかと考えられています。
  また最近、超新星爆発によって絶滅したという説が出てきました。マンモスの骨から磁性を帯びた小さな金属球が発見されたこと(地球外から飛来したもの)、石器に含まれる放射性同位体のカリウム40の比率(超新星爆発で多く作られる)、海底堆積物中の放射性同位体の炭素14(超新星爆発で増える)などの証拠が挙げられています。
  マンモスは、絶滅動物とはいえ、比較的ヒトとは関係の深い生物です。そして、化石もたくさん見つかっています。そのようなマンモスでも、その絶滅の時期や原因がわかっていないです。他の生物の絶滅の原因などは、推して知るべしです。


Letter■ アイスエイジ・人類共通の財産 

・アイスエイジ・
マンモスを扱った映画にはいろいろなものあります。
我が家の子供たちが好きな映画に
「アイスエイジ」(氷河期という意味)があります。
この映画の主人公はマンモスで、
2万年前の氷河期の始まりの時代の話です。
動物たちが、温かいところに移動しようというものです。
その時、ヒトの赤ちゃんがでてきます。
このような映画でも、ヒトとマンモスのかかわり、
あるいは、氷河期と生き物の関係が描かれています。

・人類共通の財産・
先日講義で使うためにApollo計画の動画や画像を探していました。
まずは、NASAのサイトから動画や画像を探しました。
すると、ほぼすべての動画や画像が公開されていました。
私は、Apollo11と14号の動画のDVDを以前に購入していたのですが、
今回はApollo15号のものが必要となって探したら、
すべて見つけることができました。
膨大すぎて探すのが大変ですが、見つけることができました。
アームストロングの月面へ最初の一歩画像も、ありました。
ケネディの月へいくという演説はまだ見つけていないのですが、
たぶんあるはずのところは見つけました。
ただ、あまりにデータが膨大すぎて、まだ見つけることができません。
このような人類共通の財産が、だれもが使える形で、
だれもが使えるところにあるのは非常にいいことですね。


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