生命の歴史
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Essay■ 2_48 生命の起源1:アプローチの方法
Letter■ 生命の起源シリーズ・風邪
Words ■ 分からないときは、いろいろなやりかを試すこと


(2006.11.16)
  生命の起源は、まだ不明です。しかし、最初の生命探しへの努力は続けられています。その様子を紹介しましょう。


Essay 2_48 生命の起源1:アプローチの方法

 「私たちはどこから来たのか」という哲学的な疑問を、多くの人は一度は考えたことがあるでしょう。「私たちはどこから来たのか」という問いを、哲学ではなく、自然科学の世界で突き詰めていくと、生命の起源へとたどり着きます。では、生命の起源は、どのように探ればいいのでしょうか。
  生命の起源は、科学者にとっても興味のあるテーマです。ですから、いろいろな科学的アプローチが試みられてきました。しかし残念ながら、まだ生命の起源は不明です。
  生命の起源とは昔に起こったことです。昔、それもかなり昔に起こったことを、調べ、答えを求めるなどということなんて、そもそもできるのでしょうか。そして、もしなんらかの答えが出たとしても、その答えが正しいかどうか、何によって検証すればいいのでしょうか。
  まず、一般論の話をしましょう。ある謎があるとします。その謎にいろいろな方法で取り組んで、答えを求めようとしました。ところがその答えが得られませんでした。でも、そのおかげで、それぞの取り組みごとに、いくつかの重要なヒントや条件がえられたとします。まったく別の考え方、方法で得られたものであれば、独立したアプローチといえます。独立とは、お互いに依存することなく、独自の方法で得られたものであるということです。もしそれらのヒントや条件が、すべて同じ方向を示しているのなら、答えはその方向にあると考えてよさそうです。
  実は、このような方法で、生命起源に関するシナリオができるようになりました。ですから、完全な答えを得られない、そして検証もできないのですが、一番もっともらしいシナリオを描くことはできるのです。
  さていよいよ本題ですが、生命起源の謎を解くためにとられた方法は、直接的なアプローチと間接的なアプローチに分けることができます。直接的なアプローチとは、生命の誕生の現場証拠を探そうというものです。間接的なアプローチとは、生命の起源に必要な条件や環境、プロセスなどを絞って探っていく方法です。それぞれをもう少し詳しく見ていきましょう。
  直接生命の誕生の証拠を探すという方法は、分かりやすいものです。直接の証拠とは、誕生直後生物の痕跡、つまり化石を探すことです。それは、最古の化石探しが重要な方法となります。もし、誕生直後の化石が、証拠として見つかれば、説得力のあるものとなります。
  間接的なアプローチには、いくつかの方法があります。現在手に入る素材から、推定していこうという方法です。生命を実験室で合成していく方法(合成実験とよばれます)、現在の生物から推定する方法(比較生化学)、材料物質からの推定する方法(隕石の有機物)などがあります。
  次回から、その中身を詳しく紹介してきましょう。


Letter■ 生命の起源シリーズ・風邪 

・生命の起源シリーズ・
今回から、生命の起源シリーズをはじめます。
予定では、7回ほどのシリーズになりそうです。
今年一杯かかりそうです。
まあ予定ですから、どうなるかはまだわかりませんし、
いろいろ変更もあるでしょうし、
別のエッセイを急遽書くこともあるかもしれません。
まあ、のんびりと着実にいきましょう。

・風邪・
私の町にも、日曜日の夜から朝にかけて、初雪が降りました。
しかし、月曜日の朝には、道路の雪はとけていて、
その後暖かい天気が続いたので、街の雪はすっかり解けてしまいました。
木々の葉もすっかりなくなりました。
いよいよ冬です。
そんな冬の便りを、私は、風邪とともに味わいました。
先週の後半に風邪で寝込んでしまいました。
月曜日まで休み、火曜日から動き出したのですが、まだ不調です。
家内と私が風邪で、子供たちは一応大丈夫です。
今週末にインフルエンザの予防接種を予約しているのですが、
受けられるかどうか微妙です。
今年の我が家は、次々と風邪にかかり、
全員が元気なときはあまりなかったような気がします。
そんなときもあるのでしょう。


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