地球の歴史
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Essay■ 1_209 テクタイト 3:不明のクレータ
Letter■ 寒波・月になりました
Words ■ これから慌ただしい日々が


(2024.02.01)
 テクタイトとクレータの対応できないものもあります。その中でも、もっとも広く分布しているテクタイトのクレータが見つかっていません。そのクレータ探しが進められています。

Essay■ 1_209 テクタイト 3:不明のクレータ

 テクタイトが見つかっていても、クレータが見つからないことがあるのを、前回、紹介しました。テクタイトの分布から、落ちた場所は、推定することができるはずです。なのに、なぜ見つからないのかが不明です。
 もし古い衝突であれば、侵食や地質変動などで消えていくこともあるかもしれません。しかし、新しい衝突であれば、その付近を探索すれば、クレータの証拠が見つかるはずです。それでも見つからないクレータがありました。
 インド洋からオーストラリア、インドネシア、東南アジア、南極大陸まで、最も広く分布しているテクタイトがあります。広域に分布しているので、各地で別の名称が付けられていました。オーストラリアではオーストラライト(Australite)、西南アジアではインドチャイナイト(Indochinite)、中国ではチャイナイト(Chinite)などと呼ばれています。しかし、そのクレータは見つかっていませんでした。
 テクタイトから、衝突の年代は79万年前だとわかっています。新しい時代の衝突なのに、クレータが見つかっていませんでした。テクタイトの分布から、アジア大陸の東部だと考えられています。このように広域にテクタイトを飛ばす衝突であれば、直径20kmのクレータができていたと推定されます。
 かなり大きなクレータができたずです。候補として、カンボジアからラオスのボーラウェン高原に分布する玄武岩台地が、その衝突の結果できたのではないかと考えられました。衝突で地殻下でマグマが発生して、溶岩層になったので、クレータが消えているのではないかとも考えられました。
 2023年、サエンスレポート誌にカリミ(Karimi)らの共同研究で、
Formation of Australasian tektites from gravity and magnetic indicators(重力および地磁気の指標によるオーストラライトの形成)
という論文が報告されました。この論文では、人工衛星からの重力と地磁気のデータを用いて、中国北西部のバダイン・ジャラン砂漠に落ちたという提案がされています。
 その詳細は次回としましょう。


Letter■ 寒波・2月になりました 

・寒波・
先週の大寒波での大雪は大変でした。
交通は運休部分があり、
各地で間引き運転となっていました。
ちょうど定期試験がはじまる日にあたっており
担当の科目の試験があました。
交通障害で多くの学生が来れず、
大人数が追試を受けるのではないかと
心配になりました。
大人数になるのなら
追試も2クラスになるかもしれず、
もしそうなれば、試験問題も作り変えるつもりでした。
ところが、ほとんどの学生が出席しており
追試の受験者も少な目になりそうです。

・2月になりました・
2月になりました。
1月には大学では、いろいろな行事がありました。
後期の講義も定期試験も終わりました。
そして2月には大学入試がはじまります。
教員は監督、採点、合否判定などが続きます。
1月の正月明けから2月までは
慌ただしい日々が続きます。