地球の歴史
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Essay■ 1_207 テクタイト 1:衝突の証拠
Letter■ 共通テスト・大学入試
Words ■ 今年の北国は寒さが厳しそうです


(2024.01.18)
 隕石の衝突によって、地球表層では、いろいろな現象や変化が起こります。隕石が見つかる場合もありますが、大きな衝突ほど、隕石は見つかりません。それでも、衝突の証拠は残されています。

Essay■ 1_207 テクタイト 1:衝突の証拠

 隕石の落下は、そのサイズを問わなければ、常時至る所で起こっています。しかし、大きな隕石ほど衝突でなくなっていったり、古い隕石ほど風化な埋没などで分からなくなっていきます。
 隕石本体が見つかっていなくても、落下した証拠が見つかることがあります。一番わかりやすいものとして、クレータがあります。クレーターが見つかれば、隕石がなくても、衝突があったことがわかります。
 他にも衝突の証拠はあります。テクタイトやシャッターコーン、衝突石英などがあります。他にも、間接的ですが、高温高圧鉱物(コーサイト、スティショバイト、ダイヤモンドなど)、特別な元素(イリジウム)や津波堆積物や煤(すす)の層などもあります。
 聞き慣れないものが、いろいろ出てきましたので、説明していきましょう。テクタイトは、今回のテーマなのであとで説明することにして、それ以外のものについて、紹介しておきましょう。
 シャッターコーン(shatter cone)とは、隕石が衝突した時、周辺の岩石を衝撃波が通り抜けて、その模様が残された岩石のことです。溝は、円錐状の細いスジになっています。衝突の中心から放射状にできます。シャッターコーンのスジから、衝突の位置が推定できます。どのような岩石でも衝撃波は通り抜けますが、細粒で緻密な岩石に残されています。大規模な核爆発の際にも、形成されることがわかっています。
 衝突石英とは、もともとあった岩石中の石英が、衝撃による圧力で結晶構造が変形したものです。特殊な顕微鏡(偏光顕微鏡)てみると、特異な縞模様となって現れます。
 高温高圧鉱物とは、衝突時に瞬間的ですが高温高圧条件が生まれ、その時変成作用が起こります。他の変成作用と比べても、異なっているので、衝突変成作用とも呼ばれます。大きなクレータの内部などで、石英の高温高圧鉱物のコーサイト(1960年にアメリカのバリンジャー・クレーターから発見)やスティショバイト(1962年に同じくバリンジャー・クレータから発見)、石墨の高温高圧鉱物のダイヤモンド(1972年にロシアのポピガイ・クレーターから発見)などができています。
 特別な元素として、イリジウム(Ir)が有名です。白亜紀の終わりに恐竜などの大絶滅が隕石によるものだと知られれています。隕石の衝突の証拠になったのが、イリジウムでした。地球表層には稀な元素ですが、隕石には多く含まれていることから、衝突の証拠となった元素です。
 津波堆積物や煤の層は、隕石の衝突によって起こった巨大津波や大規模火災によって形成されたものが、地層となるほどの量あったことになります。だたし、津波も火災も他でも起こる現象なので、他の証拠がないと隕石衝突と結びつけるのは困難です。
 さて、テクタイトですが、少々長くなってきたので、次回としましょう。


Letter■ 共通テスト・大学入試 

・共通テスト・
多くの大学で実施されていた
大学共通テストは無事終わりました。
監督する側としては一安心です。
一般入試を受ける受験生は、
これからが本番となります。
我が大学も、2月に入試があります。
一年で一番寒い時期の入試は
北国では雪や暴風の危険性が常にあります。
公共の乗り物を基準にしていますので
遅延や運休があると、
配慮しなければなりません。
コロナ罹患や今回の能登地震への対応と同じように
代替の試験準備しておかなければなりません。
なかなか大変ですが、配慮すべき事態なので
致し方がありません。
試験時期が、冬場でなければ、
トラブルは少なくなるのでしょうが。
夏の新学期制度は、すべての教育機関で
進まなければならないので
なかなか難しいでしょうね。

・大学入試・
一般入試までの期間に、
大学での後期の講義が終わります。
その後、定期試験も終わっています。
そして、大学も受験生も
いよいよ入試態勢へとなっていきます。
受験生は、合格すると一過性のイベントになりますが、
大学では、毎年の年中行事になります。
大変ですが、重要な行事なので、
かなり前から準備をしていきます。