地球の歴史
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Essay■ 1_206 天体衝突の頻度は 5:スフェルール
Letter■ 予約配信・荷物を搬出
Words ■ サバティカルがはじまり、四国にいます。


(2023.04.06)
 クレータがなくても、隕石の衝突を調べる別の方法もあります。それは、衝突で飛び散った隕石物質を検出して、調べていく方法です。そこから、新たな衝突の様子が見えてきました。

Essay■ 1_206 天体衝突の頻度は 5:スフェルール

 太陽系の惑星形成の時期には、宇宙空間には小惑星や小天体が多数あり、それらが衝突合体していきます。やがて、公転軌道には、大きな天体が成長して、唯一の惑星となっていきます。地球も同じように形成されたました。
 惑星形成後も、初期のころは、まだ小天体の衝突も激しかったと考えられます。地球初期に起こった小天体の衝突の様子を直接しらべることはできません。なぜなら、証拠となる隕石やクレータなどは消えてしまっているからです。衝突の頻度を見積もる方法は、これまでの紹介してきたもの以外にも考えられています。
 隕石が衝突すると、隕石物質が砕けたり融けたりして、周辺に広く飛び散ります。大きな隕石ほど、広域に、時には地球全体に飛び散ります。飛び散って地球にばらまかれた物質のうち、隕石の融けた物質は、大気中を飛んている時、小さな球状のガラスとして固まり、スフェルールと呼ばれる物質になります。
 スフェルールが堆積物としてたまれば、地層に取り込まれます。時代のわかっている地層ごとに、スフェルールの量を調べると、隕石物質の量がわかります。時代ごとに衝突量がわかれば、衝突頻度が推定できます。
 地球の隕石の衝突頻度が、このような考え方で求められていました。モデルにはいろいろなものがあります。米国サウスウエスト研究所のMarchiさんが、2021年の第31回ゴールドシュミット国際会議で、モデルを再検討した結果を報告しました。
 小天体の衝突の頻度(衝突フラックス)に関して、新たなモデルを作成しました。そのモデルに基づいて、地層中のスフェルールの統計データを見直していきました。すると、これまで考えられていた衝突頻度とは異なることがわかってきました。
 新しいモデルでは、これまでの衝突頻度の見積もりと比べて、約35億〜25億年前に、最大で10倍にもなることがわかってきました。非常の激しい衝突が予想されました。その頻度は、直径10km程度の隕石にすると、1500万年に一度は衝突していたことになりました。
 もし地球初期の太古代に、そのような激しい隕石の衝突があったとすると、大気や海洋に大きな影響を与えたはずです。また、生命誕生や進化にも影響を与えたことになります。その検討に関しては、今度の課題となるでしょう。


Letter■ 予約配信・荷物を搬出 

・予約配信・
滞在中のインターネットは、
自宅も執務室も、
期間限定のSIMとルータで接続する予定です。
インターネットとパソコンの接続が
どうなるかは不明なので
トラブルが発生する可能性もあります。
大学では、一応、接続は確認していますが、
別の地域、環境では、どうなるかは不明です。
いつものように、このメールマガジンも
予約配信しました。

・荷物を搬出・
サバティカルのために
先日、荷物を搬出しました。
引っ越しも、混んでいるため、
2月初頭に引っ越しの予約をしたのですが
この日程を取るもの大変でした。
なんとか27日に引っ越しをすることができました。
出かける前は、バタバタしましたが、
無事、送り出すことができました。