地球の歴史
表紙に戻る

Essay■ 1_201 火星の隕石衝突 3:クレータ
Letter■ 初冠雪・まだらな紅葉
Words ■ 冬の足音がする


(2022.10.13)
 火星探査機インサイトは、音を記録し、地震も記録していました。両者を合わせることで、隕石の衝突を検証できます。さらに、軌道からの画像と比べることでクレータとも照合できます。

Essay■ 1_201 火星の隕石衝突 3:クレータ

 火星探査機インサイトは、火星の赤道近く(北緯4度、東経136度)に着陸しているのですが、そこはかつてキュリオシティ(南緯4.6度、東経137度)が調査した近くです。現在、パーサヴィアランス(北緯19度、東経78度)が探査をしているところも近くになっています。このように調査されているところが、集中しています。
 インサイトは、音を記録し、地震も記録もしていることから、隕石の衝突を特定できることができると前回しょうかいましました。本当に、このような現象を捉えることができるのでしょうか。インサイトの地震計は、15か月間の観測で、数百回の地震を観測しています。その中で、4回の衝突の振動を記録していました。それらを解析して衝突による振動だと確定しています。さらに、軌道上から観測された画像によって、衝突によって形成されたクレーターも限定されています。
 そのような成果は、フランス、トゥールーズ大学のガルシアと共同研究者による報告で、2022年9月19日のNature Geoscience誌に掲載されました。タイトルは、
Newly formed craters on Mars located using seismic and acoustic wave data from InSight
(インサイトの地震と音波データを用いて位置決定された火星に新しくできたクレータ)
というものです。
 これまで地震計は天体の内部を調べるためのものだと考えられてきました。しかし、同じ装置の同じデータであっても、解析することで、別の意味をもった情報が見つかってきました。
 クレータの位置が確定されたことが重要です。なぜなら、地震計が多数あれば、地震が起こった場所(震源)は特定できますが、ひとつだと場所がよくわかりません。そうなると天体内部を正確に推定することが難しくなります。しかし、今回クレータから震源の位置が確定していますので、より正確に内部を推定することできます。今後、天体観測にも役立ちそうですね。


Letter■ 初冠雪・まだらな紅葉 

・初冠雪・
最近、一気に秋めいてきました。
北海道では、先週には初冠雪が各地でみられまた。
通勤中に見える山並も白くなっていました。
我が家でも、朝夕のストーブが当たり前になってきました。
今週末に野外調査にでかけます。
これが、今年最後の野外調査になりそうです。
そろそろ峠道での雪が心配になってきました。
いつ冬タイヤに変えるかが悩みどころです。

・まだらな紅葉・
秋の連休はいかが過ごされたでしょうか。
私はいつもと変わらない生活をしていました。
先日の晴れたい日に少し雪虫が飛んでいました。
まだ少し早い気がします。
今年の紅葉はまだらなので、
秋の深まりも、
いきつもどりつしているのでしょうか。