地球の歴史
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Essay■ 1_200 火星の隕石衝突 2:地震、月震、火震
Letter■ 地震計・秋の足音
Words ■ 紅葉の秋がはじまりつつあります


(2022.10.06)
 このシリーズは、火星の隕石衝突のテーマです。なかなか話題に入りません。前提となる知識があったほうが、よりよくわかるからです。ということで、今回も、火星の隕石衝突には、まだ入れません。

Essay■ 1_200 火星の隕石衝突 2:地震、月震、火震

 探査機は、天体の外側からか、あるいは着陸すれば天体の表層を、直接調べることができます。着陸する予定の探査機には、地震計が搭載されること多いです。なぜなら、地震計は、地震を観測し、地震のデータで天体内部を様子を推定することができるからです。
 地震計は、月にもアポロ計画で5台が置かれ、そのうち4台が長期わたって観測しました。8年10月間で、12558回もの月震を観測しています。地球では地震(earthquake)ですが、月なので月震(moonquake)と呼ばれています。
 地震の観測が重要なのは、地震は地中を伝わってくるので、その波形を測定することで、内部の構造や構成物を知ることができます。多数の地震を観測できれば、より内部を詳しく知ることができます。
 月震は、いくつかの原因で起こることもわかってきました。深発月震(1100〜800km)、浅発月震(300km)、熱月震(昼夜の温度差で岩石が破壊された時に起こる)などが主なものとされています。アポロ計画では人工月震も11回起こしています。
 月震の原因として、隕石の衝突ではないかと考えられているものが、100回ほど観測されています。しかし、残念ながら、実際の衝突によってできたクレータは見つかっていません。また、他の証拠がないので、隕石の衝突と検証されていません。
 さて、火星です。火星では、1976年にはバイキング2の地震計が観測して、いくつかの地震を観測しました。その後、いくつかの探査機が着陸、観測をしました。
 現在は、NASAの探査機インサイトが活動中です。2018年11月に到着して約2年(728日)を予定されていました。4年ほどたっているのですが、現在でも、活動中です。いろいろトラブルがあったのですが、ホコリのためソーラーパネルで発電ができなくなりました。一度はアームで砂を吹き付けることで、ホコリを払って対処したことで、少し回復しました。しかし、現在ではホコロが多すぎたので対処できなくなったようです。
 2022年5月には省エネモードになっています。予定では、2022年末までの運用を考えています。省エネモードでは、火震(marsquake)の観測だけをしています。
 また、インサイトでは、音を記録するともできました。地震計と音で、隕石の衝突であることを、検証することができます。その詳細は、次回としましょう。


Letter■ 地震計・秋の足音 

・地震計・
探査機が、天体に送り込まれるたびに、
新しいデータから
これまでに知られていないことが
次々とわかってきます。
特に映像で示されるニュースは
市民にもその新しさが直感的に理解できます。
地震は、体感しない限り、直感的には理解できません。
見えること、直接体験できることだけが
本質を知るための情報ではありません。
見えないもの、感じないものでも
重要な情報がいろいろあります。
地震計もそのような情報を収集しています。

・秋の足音・
10月になりました。
9月には一旦涼しくなったのですが、
9月下旬から10月の最初も
暖かい日が続きました。
今週から急に涼しくなってくる予報です。
(10/2日曜に、このコラムを書いています)
紅葉も進んでいるのですが、
どうも足並みが揃ってないように見えます。
まあ、本当に紅葉ははじまるのは
10月下旬から、秋が深まってからですから。
雪虫はまだ見かけませんから、
初雪もまだまだ先になりそうです。