地球の歴史
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Essay■ 1_174 日本最古の岩石 6:原日本
Letter■ 猛暑・締め切り
Words ■ 暑さの中、締め切りに追われています


(2019.08.08)
 古い年代を示した岩石の種類と、その起源をみていきます。日本列島を構成していた、古い時代の様子を推定することができます。原日本の姿を、今回の報告から、垣間見ることができそうです。

Essay■ 1_174 日本最古の岩石 6:原日本

 今回見つかった最古の岩石は、25億年前にマグマが固まった花崗岩ができ、18.3億年前に変成作用を受けて花崗片麻岩になりました。花崗片麻岩は、25億年前にできた大陸地殻の存在を示しています。また、石英砂岩中の砕屑性ジルコンは、火成年代が24.8億年前より古いジルコンだけを含んでいました。花崗岩と似た年代を示した石英砂岩のジルコンには、別の地質学的意味もありました。
 石英砂岩とは、大陸内や大陸に由来する河川の河口にできる岩石です。大陸の花崗岩類やその変成岩が、長い時間かけて侵食されることで、石英以外の鉱物がなくなってしまい、最終的に残った石英だけが集まって固まった堆積岩です。このような堆積岩は、現在の広い大陸の内陸部や、大陸を流れる大河の河口などで形成されていることがわかっています。
 花崗片麻岩を含む広い大陸と、それが侵食されてできた石英砂岩が発見されました。25億年前には古い岩石からできた大きな大陸があったことが、明らかになりました。この大陸は、安定地塊(クラトン)と周辺の堆積岩を構成していたと推定できます。堆積岩中のジルコン粒子という一見間接的な情報ですが、そこから複雑な履歴が読み取れました。
 この時代は、日本列島や日本海ができるずっと前で、古い大陸地塊での物語となります。現在の日本列島の岩石になったと考えられるものは、「原日本」と呼ばれています。
 原日本には、大きく分けると、北中国(中朝とも)地塊と南中国地塊がありました。その間には、この2つの大陸が衝突してきた造山帯が形成されました。両大陸は古生代(2億3000万年前頃)に衝突しています。その衝突帯は、秦嶺−大別山ー蘇魯縫合帯と呼ばれています。
 北中国地塊は19億〜20億年前の大陸地殻ですが、その構成物として38億年前の年代の岩石も見つかっています。
 南中国地塊は3つの地質体に区分されます。北部は21億〜10億年前の揚子江(Yangtze)地塊で、南部は21億〜10億年前のカタイシア(契丹)地塊です。間には、10億年前に両大陸が衝突してきた造山帯(シバオ造山帯)が形成されています。
 原日本の岩石は、縫合帯から南中国地塊にあったものだと考えられます。ただし、日本列島で年代測定によって見つかってきた古い岩体の詳しい所属については、まだ決着を見ていないものが多くあります。もっと年代が決まってくると、決着を見るかもしれませんね。


Letter■ 猛暑・締め切り 

・猛暑・
北海道も非常に暑い日々が続いています。
夜、窓を開けて寝ていますが、
あまりに蒸し暑くて十分に
睡眠が取れない状態が続いています。
朝、研究室に入っても暑くてたまりません。
風さえあれば、涼しい朝に空気が入って
なんと涼しくできるのですが、
風がない日は、暑いまま耐えるしかありません。
研究室は西向きなので午後には耐えられない暑さになります。
立秋には台風が来て涼しくなるという予想なのですが。
予想が当たることを願っています。

・締め切り・
大学は定期試験も終わり
教員採用の二次試験も終わりました。
ゼミの4年生は卒業研究の添削に入りました。
教員は採点や成績評価をすることになります。
今週中に終わらせることになります。
他にも論文の査読の修正の締め切りもあります。
暑さのため集中できない状態と
午後が仕事にならないので
だんだん仕事が遅れてきました。
そろそろ限界が近づいています。
午前中に一気に進めていくしかありません。