地球の歴史
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Essay■ 1_173 日本最古の岩石 5:構造侵食
Letter■ 蒸し暑さ・教室の冷房
Words ■ 蒸し暑さに参っています


(2019.08.01)
 島弧では、大陸地殻を形成する作用があり、その作用の解明に注力されてきました。しかし、沈み込み帯では、火成作用が常に起こっているのですが、付加作用だけでなく構造侵食も起こっていることがわかってきました。

Essay■ 1_173 日本最古の岩石 5:構造侵食

 これまで、島弧は大陸地殻が増えていくだけの作用をすると考えられていました。あるいは、減ることについては配慮されていませんでした。それは、島弧での大陸地殻の形成過程として、島弧火成活動のメカニズム解明や付加体の構造解析や年代決定など、興味深いテーマがあり、そこに多くの力が注がれていたためです。
 ところが、最近では、造山帯は成長するだけでなく、別の時期には構造的に侵食されていくことが、再度注目されるようになってきました。「再度」といったのは、地球の沈み込み帯を広く見ていくと、島弧の火成活動は必ず起こっているのですが、付加体が形成されているところと、されてないろところがあることがわかっていました。しかし付加体が形成されていないところより、形成されているところに注目され、研究が進んでいました。そのため、付加体が形成されていないところには、注目されていませんでした。
 現在の状況をみると、付加体より構造侵食が起こっている沈み込み帯のほうが圧倒的に多いことがわかります。沈み込み帯は、構造侵食作用が起こる場と考えたほうがいいようです。
 2010年前後に、ジルコンを用いた年代測定ができるようになり、その分析システムが整ってきて、造山帯の岩石にも適用されるようになってきました。すると、造山帯は沈み込み帯で形成されたものも多いため、古い造山帯の岩石で過去の沈み込み帯の様子が復元されるようになってきました。その結果、激しい構造作用による侵食、「構造侵食」と呼ばれる作用が起こっている明らかになってきました。ひとつの造山帯がすべてなくなるような構造侵食が受けるようなことがあることもわかってきました。構造侵食作用は、非常に激しく、しかも定常的に起こっていることになります。
 日本列島にように、繰り返し造山作用が起こっているようなところは、古い造山帯の岩石が残っていることは、非常に稀になります。まして、その岩石の所属している造山帯まで明らかになるのは、なかなか難しいことになります。特に古い造山帯のより古い大陸地殻の岩石での所属は難しくなります。
 今回の古い岩石の発見は、単に年代が決まったというだけでなく、その岩石の構造帯での所属までわかったということに大きな意義があります。それについては、次回にしましょう。


Letter■ 蒸し暑さ・教室の冷房 

・蒸し暑さ・
先週までは、涼しい、冷夏などといっていました。
ところが一転、蒸し暑い日が先週末から続いています。
気温が高いだけでなく、湿度も高いので
夜も寝苦しくて、睡眠不足でバテてしまいます。
我が家はエアコンがありません。
そのため、扇風機を回すか、団扇を使うしかありません。
昼間は大学にいるのですが、
研究室は西向きで、午後には西日が当たるので
耐え難い蒸し暑さになります。
そんなときは、用事がないときには
そうそうに帰ることにしています。
自宅に帰る頃には夕方になっているので、
少しは過ごしやすくなります。
そんな日々を過ごしています。

・教室の冷房・
大学は、定期試験の週に入りましました。
一番暑い時に定期試験とは、
いかがなものかと思ってしまいます。
もう少し工夫はできないのでしょうか。
夏に新学期の始まりにすれば、
このような暑さ対策は考えなくていいのでしょうが。
そんなに単純ではないでしょうが。
遅ればせながら、我が大学も暑さ対策として
教室に冷房が入りました。
研究室にはないのですが。