地球の歴史
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Essay■ 1_164 グランドキャニオンの不整合 1:地層の境界
Letter■ 春へ・新たな付き合い
Words ■ 春が北国にも来ました


(2019.04.18)
 今回のシリーズは、北米大陸の景勝地、グランドキャニオンの地層が話題となります。堆積岩の地層にある境界の意味をまずは考えてみましょう。さらに、不整合には、どんな意味があるかを考えていきましょう。

Essay■ 1_164 グランドキャニオンの不整合 1:地層の境界

 地層とは層があるものをいうのですが、その層の境界面は、すべてほぼ平らで水平な面になっています。多くの境界は似たような面となっており、境界は繰り返しています。そのような地層を整合といいます。
 本来地層は、堆積岩だけでなく、いろいろな岩石を含むのですが、今回の話題は、堆積岩からできているものです。よく見かける「いわゆる地層」を想像してみてください。日本列島には、この地層が多いのですが、連続した堆積作用でできたものではありません。なぜなら、境界があるということは、違った岩石が接しているために、違いが見えていることになります。そこには少なくとも、物質的な不連続が生じています。
 ですから整合とはいっても、地層境界には不連続があることになります。先程思い浮かべた「いわゆる地層」は、タービダイト層と呼ばれるもので、日本列島では頻繁に見かけるものです。
 タービダイト層は、海岸や河口付近で溜まった土砂が、海底の土石流によって、より深い海底に流れ込んだものです。土石流が海底に堆積して一枚の地層となります。堆積物は一気に堆積していきますので、堆積物は短い期間の記録にすぎず、地層の境界に長い時間が詰まっていることになります。
 土石流が繰り返し発生すれば、タービダイト層ができていきます。タービダイト層は、土石流の流れた短時間の出来事を記録しているだけで、多くの時間は地層境界になり、ほとんど時間の記録はされていません。しかし、このような地層を整合と呼んで、連続してできたものと考えています。記録としては不連続なものですが、連続として扱っていることになります。これは注意が必要です。
 しかし、それはもっと不連続なものが地層には見つかるため、それと比較していくとそうなります。それは不整合と呼ばれるものです。不整合とは、地層の間に見られる境界の一種です。境界の特徴として、侵食を受けた面があり、その面はでこぼこしたものになります。時にはその面に、礫岩が堆積していることがあります。基底礫と呼ばれています。整合とは明らかに違ったもので、不整合は繰り返すことはあまりありません。
 この不整合は地質学的には大きな意味があります。それは次回としましょう。


Letter■ 春へ・新たな付き合い 

・春へ・
北海道もようやく暖かくなってきました。
今年の春は、行ったり来たりで
なかなか深まりませんでした。
しかし、先週の週末前後から暖かくなり
今週の初めには温かい雨となりました。
このような温かい雨が降ると
一気に雪解けが進みます。
そんな繰り返しで春が深まっていました。

・新たな付き合い・
新入生とのはじめての授業がありました。
1年生の前期の授業はひとつしか担当していないので、
週に一度しか会うことがありません。
それでも学科の学生ですから、
親しみを持って接することになります。
学科では担任制度をとっているので
日々重ねると付き合いも深まっていきます。
そんな新しい出会いが、今年もはじまりました。