地球の歴史
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Essay■ 1_159 大陸の形成 4:地球初期へ
Letter■ 危機意識・協力体制
Words ■ 皆様の地域は大雨の被害はなかったでしょうか


(2018.07.19)
 大陸形成の仮説は、今までの常識をくつがえすものでした。しかし課題もありそうです。この仮説を地球初期に延長していくと、大陸形成の物語にも、答えが出せる可能性を秘めているようです。


Essay■ 1_159 大陸の形成 4:地球初期へ

 田村さんたちは、厚い地殻(厚さ30km以上)では玄武岩質マグマが、薄い地殻では安山岩質マグマが活動するということを、伊豆小笠原とアリューシャンの海洋島弧のデータを用いて示しました。島弧固有だと考えられる安山岩質マグマは、海洋のできたての島弧で形成され、それが大陸地殻になっていくという仮説を提示しました。今までの常識と反していますが、事実に基づく、大胆な仮説でもありましたが、根拠が明瞭なので説得力があります。
 ある程度の厚さで安山岩地殻が形成されると、今度は玄武岩質マグマが形成されるようにな島弧になっていき、玄武岩質マグマによる島弧地殻の溶融が起こることになります。もしそれが成熟した島弧で、多様な岩石類を多量にあるようならば、島弧の成熟を促すことになるはずです。もし海洋島弧のような環境だったら、玄武岩質マグマが島弧地殻を溶かすので地殻の成長を抑制することになります。この作用の境界や違いは、何に由来ているかは、次なる課題になるでしょう。しかし、今後の検討で、近うちに検証されていくでしょう。
 この普遍性を地球初期に適用すると、もし現在のようなマントルの物理条件であれば、地殻が形成される時は、安山岩からなる薄い大陸地殻の形成が起こり、大陸地殻が一気に大量に形成されることになります。もし地球初期のマントルが現在より高温の条件であったなら、安山岩質マグマはできず、最初から玄武岩質マグマの活動が起こり、玄武岩の海洋地殻が厚くできていくだけで、安山岩質の大陸地殻は形成されることがなかったかもしれません。どちらが起こってい方は今後の課題でしょう。しかし、地球初期の温度条件がある程度精度良く推定できれば、決着を見ることになるでしょう。
 この仮説の検証や議論に今後期待したいものです。もうひとつ大陸の移動に関する報告もあったので、続けてシリーズとして紹介していく予定です。


Letter■ 危機意識・協力体制 

・危機意識・
北海道もなかなか気温も上がらず、
日照不足も心配されます。
短い梅雨や大雨など、平年とは違った天候が各地で起こっています。
天気予報もなかなか当たらないようです。
いくら科学が進んでも、複雑系の含まれている事象は
不確実な要素があります。
それも含めて予報として聞く必要があります。
でも今回のように警報や特別警報が出るような時は
危機意識を持ち、行動することが重要です。
これが、今回の大きな教訓となりそうです。

・協力体制・
今回の大雨の被害は、広範囲に及ぶもので
被害地域が広く、被害者の数も多くなりました。
災害復旧の目処がまた立たない地域もあるようです。
私の知り合いの地域でも大きな被害がでました。
私は、以前お世話になった地域へ、
寄付をさせていただきました。
その時ふるさと納税でするシステムをはじめて用いました。
そのシステムは、知り合いの地域に対して
他の市がいち早く名乗りを挙げて
事務処理を早急に代行する仕組みが整っていました。
このような協力体制がすぐに整うことは
非常心強いかぎりですね。