地球の歴史
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Essay■ 1_155 チバニアン 3:地磁気の逆転
Letter■ 教員希望の学生・2月の月日は
Words ■ 少年老い易く学成り難し


(2017.02.09)
 千葉には、第四紀の更新世中期の地層がでており、GSSPとして名乗りをあげています。もし認められれたら、更新世中期の時代名は、「チバニアン」となるはずです。さて、どうなるでしょうか。


Essay■ 1_155 チバニアン 3:地磁気の逆転

 千葉県市原市田淵の「千葉セクション」は、第四紀の更新世中期の地層が連続してでています。前期と中期の境界も連続露頭の中で見えているため、「国際標準模式層断面及び地点」のGSSPになるべく、申請がされています。もし認められたら、更新世中期の時代名は、「チバニアン」となるはずです。日本の地層で、時代名がつけられるのは、はじめてのことになります。
 千葉セクションの地層では、環境を示すデータも揃っており、境界には火山灰層もあり、わかりやすい露頭となっています。また、時代区分として重要な事件として、地磁気の転換が起こっています。
 地磁気の転換とは、現在、磁石のNは北を指します。地球の地場(地磁気という)は北極にS極があることを意味します。地磁気は、核で溶けた鉄が流動することで磁場を発生している(地球ダイナモ説)と考えられています。流動は乱れることがあり、地場が反転すること(逆磁極と呼びます)が起こります。過去に何度も起こっており、少なくとも360万年の間に、11回は逆磁極の時期があったことが知られています。もっと以前にも地磁気の転換は、何度もおこっています。
 現在の地磁気と同じを状態(正磁極)になったのが78万年前のことです。そのような特徴的な事件があったため、地層境界として考える時、地磁気の転換のデータが重視されることになります。
 千葉の地層がGSSPとして選ばれるかと、そうは簡単にはいかないようです。ライバルがいます。イタリアで2カ所の地層が名乗りを上げているため、3つの地点での争いとなっています。
 イタリアの地層は、イタリア南部のバレ・ディ・マンケとモンテルバーノ・ジョニカのイオニコにあるものです。バレ・ディ・マンケは、目立った長所がなく、不利な状況のようです。一方、モンテルバーノ・イオニコは、地磁気のデータはないのが弱点だったのですが、放射性年代によって、間接的ですが地磁気逆転を推定できたと主張しています。イオニコは、環境データなどが千葉より充実しており、なかなか手ごわいライバルとなっているようです。時代名は、地中海のイオニア海に由来する「イオニアン」を主張しています。
 日本列島は大地の変動の激しい場です。連続した地層や露頭が少ない日本列島で、時代を代表する地層が見つかり、国際的な名称になることは素晴らしいことです。決着は、今年から来年にかけて見られそうですが、どうなるか見守っていこうと思っています。


Letter■ 教員希望の学生・2月の月日は 

・教員希望の学生・
我が大学は、入試の第一陣が終わり、
採点、評価作業にはいっています。
また、大学の教務的な作業としては、
成績評価の提出が終わり、
卒業や進級の判定作業に入っています。
4年生は、大学の講義は終わったので、
あとは卒業式を待つのみでしょうか。
教員志望で採用試験に合格した学生は、
どこに配属されるのかは
3月にならないとわかりません。
臨時採用の教員を目指す学生は、
どこで呼ばれるのか不明です。
いずれにしても教員希望の学生は、
落ち着かない時期を過ごすことになります。

・2月の月日は・
2月の月日の流れは一段と速いようです。
大学の授業は終わっているのですが、
教職員には、つぎつぎと大きな校務があるので、
あっという間に一日が空き去ってしまいます。
気を引き締めて、日々研究に対して
精神を集中していないとなりません。