地球の歴史
表紙に戻る

Essay■ 1_126 最古の認定 3:コンコーディアとディスコーディア
Letter■ 百花繚乱・腰痛
Words ■ いよいよいい季節になりました


(2014.05.15)
 ウランとトリウムの年代測定は、いろいろな組み合わせができて、いくつもの年代値が得られます。便利ではあるのすが、それなりの条件を整ったものでないと、正確な年代が求められません。ジルコンは、特別な条件を満たす鉱物で、特別な年代測定ができます。

Essay■ 1_126 最古の認定 3:コンコーディアとディスコーディア

 UとThの放射性改変を年代測定として利用する場合、同じマグマからできた複数の鉱物の測定をして、アイソクロンを引くことで年代を求めていました。ジルコンの鉱物一個から、年代が求められるという方法があります。少々ややこしいのですが、いくつかの条件を満たしている場合に適用できる方法です。
 まず、放射性核種として、239Uと235Uの2つを用います。これで変数をひとつ減らすことができます。Uに富み、Pbが含まれていないような鉱物であれば、時間がたてば鉱物のPbはすべて放射性核種のU起源であることになります。これで、さらに変数を減らせます。このような条件を満たす鉱物がジルコンです。
 横軸に235Uと放射性改変できた207Pbの比、縦軸に238Uと206Pbの比をとってグラフにすると、原点から上に凸の指数関数が描けます。この曲線をコンコーディア(年代一致曲線)といいます。コンコーディアは、Uの存在量や、238Uと235Uの比に関わりなく、描けるものです。
 岩石(ジルコン)の時間経過とともに、コンコーディアの曲線にそって、値が変化していきます。ですから、現在のジルコン中の207Pb/235Uと206Pb/238Uの2つの同位体比を測定すれば、年代が決定できることになります。
 実際には、古い岩石、鉱物ほど、いろいろな変動や変成作用を受けています。ところが、変成作用でPb量に変化が起こったとしても、同じ鉛の同位体の207Pbと206Pbなので、その時代の比を残したまま変化します。その後の変化はコンコーディアから離れます。抜け方の違うジルコンがいくつかあれば、アイソクロンのように直線をひくことができます。このような直線をディスコーディア(年代不一致曲線)といいます。ただし、変化の条件によっては、曲線になることもありえます。
 ジルコンで、ある時、変成作用によってPbが抜けて、コンコーディアから離れて、ディスコーディアにそって変化していくとします。ディスコーディアとコンコーディアの古い時代の交点は、ジルコンが変成を受けてPbが抜けた事件の時代を示していると考えられます。
 ジルコンの測定値が、ディスコーディアの古い方でコンコーディアとの交点、あるいはコンコーディアに近ければ、それは変成年代や形成年代に近いと考えられます。このようなコンコーディア付近の測定値は、年代とみなせます。これがジルコンによる年代測定の原理です。
 西オーストラリアのジャックヒルのジルコンも他の地域の古い岩石のジルコン年代も、同じ考えで測定され、年代とされてきました。ジャックヒルズのジルコンは、コンコーディアの近くで、もっとも古いものが44億年前にできたと考えられています。ただし、ディスコーディアをつくるような測定値は、35億年くらいに集まっています。
 ディスコーディアをつくるということは、Pbが抜ける事件があったことを示しています。その時、もともとジルコンには、Pbはほどんど含まれない成分なので、古いジルコンの中のPbは、本当にきっちりと保存されているのか。また、Pbの同位体による抜け方に違いはないとされているが、本当に確かなのか。などという不安材料があります。この不安を解消しないと、年代の信頼性が保てないのです。


Letter■ 百花繚乱・腰痛 

・百花繚乱・
北海道は春の盛りとなりました。
桜は終わりましたが、
百花繚乱の季節となりました。
新緑も眩しくなりました。
寒さに対して肩を怒らせていたのですが、
やっと肩の力が抜ける季節になります。
これから夏までいい季節になります。

・腰痛・
腰痛になりました。
今、体質改善に取り組んでいます。
これまで毎年体重が増えていました。
通勤で往復7KMあるいていのですが、
単純に歩くだけではだめなようです。
これまで、低血糖にも度々みまわれるので、
糖尿病になる前に、体重を減らすことにしました。
食事制限は大変なので、糖質制限に挑戦しています。
体重も測定しだしてから4kg、
昨年の夏からは10kgほどの減りました。
急激な体質変化で、持病の腰痛がでてきたのでしょうか。
治療を心がけていますが、体質改善が落ち着いてから
対策を考えたいと思っています。
今は対処療法の整体治療です。