地球の歴史
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Essay■ 1_78 地中海誕生:メッシニアン塩分危機3
Letter■ スペック不足・卒業と入学のはざま
Words■ 安物買いの金失い


(2009.03.12)
  メッシニアン塩分危機は、地中海の成因と深い関係があるという話を前回して、終わりました。今回は、その地中海の誕生にまつわる物語を紹介します。


Essay■ 1_78 地中海誕生:メッシニアン塩分危機3

 そもそも地中海は、どのようにして形成されたのでしょうか。実は、地中海は、もともと非常に大きな海洋だったものが、今のような大きさに縮小してしまったものです。そのような縮小の過程で、メッシニアン塩分危機が起こったのです。
  地中海は、もとはテチス海(Tethys Sea)と呼ばれ、古生代から新生代のパレオジン(以前は新第三紀と呼ばれていた時代)にかけて存在した大きな海でした。その大きさは、時代ごとに変化しましたが、大陸に囲まれていることがテチス海の特徴でした。ですから、テチス海の話をするには、その時代の大陸配置を理解する必要があります。ただし、過去の大陸を復元するのは、大変な作業で、科学者によってもいろいろな考え方があります。以下の話は、"The Concise Geologic Time Scale"に基づいて紹介していきます。
  まず、古生代から話をはじめましょう。古生代の最初の時代は、カンブリア紀です。その時代には、ゴンドワナという巨大な大陸が一つありました。その他に3つの小大陸(ローレンティア、バルティカ、シベリアと呼ばれています)が、ゴンドワナの近くに集まって存在していました。その他の部分を占める大きな海洋は、パンサラッサ海と呼れていました。ゴンドワナと小さな大陸の間には、イアペタス海と呼ばれ海がありました。
  オルドビス紀になると、小さいな大陸は配置を変えていきます。パンサラッサ海とゴンドワナ大陸という大きな構図はそのままに、小さな3つの大陸の配置が変わっていきます。そのため、イアペタス海は小さくなり、新たに古テチス海と呼ばれる海ができます。
  大陸の配置は変わり、シルル紀からイアペタス海は小さくなり続け、古テチス海は、大陸配置の変更によっていろいろな形をとっていきます。デボン紀には、いくつもあった小さな大陸がゴンドワナ大陸に向かって集まりはじめ、イアペタス海はなくなります。そして、石炭紀を経てペルム紀には、一つの大きな超大陸パンゲアになっていきます。その間、古テチス海は、パンゲア大陸の内海として存在し続けます。そしてペルム紀には、古テチス海の片隅に、パンゲア大陸に抱かれるようにして、テチス海が形成されていきます。
  中生代の三畳紀になると、古テチス海は狭まり、テチス海が広がりだします。ジュラ紀には古テチス海が消え、テチス海だけになります。また、テチス海は、拡大しながら、内湾から外海の環境になります。テチス海とパンサラッサ海がつながったとき、パンサラッサは太平洋と呼ばれるようになります。この頃、パンゲアは分裂を始めローラシアとゴンドワナに分かれ始めます。白亜紀になるとローラシアとゴンドワナはさらに分裂をはじめ、大西洋が形成されていきます。そして、テチス海は縮小していきます。
  新生代になると、ユーラシア大陸に、アフリカ大陸とインド大陸の衝突して、間にあったテチス海が閉ざされ、その大部分が消えてしまいました。テチス海は、地中海や黒海、カスピ海、アラル海などが、その名残として今も少しあるだけです。
  ユーラシア大陸(ヨーロッパ)とアフリカ大陸、ユーラシア大陸(アジア)とインド大陸という大陸同士の衝突は、現在も継続しています。衝突の場には、山脈が形成され、今も上昇を続け、地震も頻発します。ところによっては火山も形成されています。
  テチス海の名残である地中海は、アフリカ大陸とユーラシア大陸の衝突が続いているところにあたります。ですから、今後も、地中海は閉じていく海になっていくはずです。メッシニアン塩分危機は、その前触れともいうべき事件だったのかもしれません。


Letter■ スペック不足・卒業と入学のはざま 

・スペック不足・
昨年新しいデスクトップのパソコンとして
Windows VISTAを購入しました。
予算の都合で、理想のスペックのものは購入できず、
しかたなく予算に見合ったスペックの低いものにしました。
ところが、ハードディスクの容量不足が、すぐに発生しました。
予期していたことですが、まめにファイルを整理していけば、
大丈夫かと思っていました。
ところがいくら整理しても、すぐに容量が足りなくなります。
購入したタイプのコンピュータでは、
ハードディズクは250GBが最大の容量でした。
これが一つ目の間違いです。
二つ目の間違いは、VISTAにしたことです。
VISTA対応のソフトをいくつか導入したのですが、
遅すぎて使い物にならず、
古いバージョンに戻してしまいました。
これでは、何のためにVISTAにしかわかりません。
また、ハングアップすることはないのですが、
いつもエラーを出していますので、
使用上、不安が付きまといます。
だから、安定しているXPにバージョンダウンした
デスクトップに買い換えようかと考えています。
価格の関係で望む機能を削ったのが、
失敗の原因だったような気がします。
少々無理をしても、必要なところには、
十分なスペックを持っていたほうが
結局は長持ちすることになりそうです。
一つ前のデスクトップは十分なスペックもっていたので、
4年ほど使うことができました。
パソコンとして十分長く使っていると思います。
まあ、新しく購入するにしても、来年度になるのですが。

・卒業と入学のはざま・
いよいよ卒業のシーズになります。
早い大学では、今週が卒業式になっています。
わが大学は来週が卒業式です。
卒業式は、本来なら大学内で挙行するのがいいはずなのです。
ところが、卒業生が1000名、そのほかに大学院生と父兄も参加します。
そんな大人数では、大学の施設では収容しきれません。
ですから、大きな会場を借りて卒業式を行います。
教員もそちらに出向いていきます。
卒業式の話をしましたが、現在、入試はまだ継続中です。
二次入試の試験は終わりましたが、
現在、集計中で、来週、その発表があります。
大学は、終わりと始まりのはざまにあります。