地球の歴史
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1_2 「地球の歴史」とは

(2000年9月20日)

 「地球の歴史」とは、なんでしょうか。これから「地球の歴史」で話す内容を紹介します。まずは、「地球」と「歴史」の意味を、探りましょう。


 「地球の歴史」とは、なんでしょうか。「地球」と「歴史」の両方の意味を、まずは知る必要があります。  地球とは、惑星科学的にみれば、以下のような記載となるでしょう。  45.6億年前、他の太陽系の天体と一生に形成されました。太陽を母星とする第3惑星です。地球の天文学的物理量は、半径6,371 km、質量5.974x10^24 kg、密度5.514 g/cm3、公転周期365.256日、軌道半径1.496億km、自転軸傾斜23.45度、自転周期0.997日です。地球は、公転周期27.32日、自転周期27.32日、半径1,738kmの衛星(月)をもちます。地球の特徴は、液体の水(つまり海)を40億年以上にわたって表層に保持してきたことです。その海を舞台として、炭素を中心とする化合物からなる生命が誕生し、進化し、現在も表層で活動しています。生命の中でも約400万年前に出現した人類は、5,000年前ころから文明を持ち、科学技術をもち、他の生物に対し多大なる影響を与えるようになりました。  つぎに、「歴史」とは何でしょうか。私の考えは以下のようなものです。  歴史とは、時の流れによって起きた変化の記録ではないでしょうか。人の歴史は記録を頼りに解読できます。地球の歴史は、地球の中に残されたかすかな自然現象の名残を科学の力を使って読み解くことです。読み解かれる地球の歴史の多くは、何らかの事件です。大部分の日常的な、何もなかった地球の姿は、なかなか記録に残りません。  現在でもそうです。私たちが見ている今の地球の姿はなかなか記録されません。何かの自然現象や災害があると、地球の営みとして記録されます。  ヒトが自然を変化させようとすると、保護するのかとか開発するのかという議論が起きます。私たちは、変化に反応するのです。  このような変化こそが歴史をつくるのではないでしょうか。